食料の国内生産の割合を示すもので数種類ある。(1)個々の品目についての自給率を示すもので、重量の比率で計算される品目別自給率。穀物(飼料用含む)自給率(2011年度概算28%)も重量比率で計算される。(2)供給エネルギーに着目して食料全体の自給割合を示すもので、カロリーの比率で計算される供給熱量自給率(カロリーベース自給率)(同39%)。これは最も一般的に利用され、総合的な自給率である。このほか、(3)輸入飼料に依存する畜産物やカロリーの低い野菜などの国内生産活動を考慮して示すための生産額ベース食料自給率(金額ベース食料自給率)(同66%)がある。前年度に比べ11年度の穀物自給率は1%上昇し、カロリーベースの自給率は変わらず、生産額ベースの食料自給率は4%下落した。穀物自給率の上昇は主に小麦の生産量の増加による。小麦は天候不順により作柄が悪かった前年と比較して単収(単位面積当たり収量)が増加した。しかし、小麦生産量の増加は、コメの需要量の減少や魚介類生産量の減少等によって相殺され、結果として、カロリーベースの自給率は前年度と同率にとどまった。生産額ベースの自給率の低下の主な理由は、国産牛肉価格の低下、国内魚介類生産量の減少、野菜価格の低下、等である。牛肉価格の低下、魚介類生産量の減少、野菜価格の低下の背景には東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故の影響がある。