高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増大等、地域が抱える人と農地の問題を解決するための今後の設計図。主な内容は、原則的に集落を対象にした、今後の地域農業の中心となる経営体、そうした経営体への農地集積の方向性やその他の農業者を含めた地域農業のあり方などである。集落・地域での徹底的な話し合いを基本とし、市町村が原案を作成した後、農業関係機関や農業者の代表で構成される検討会での審査を経て正式に決定される。人・農地プランを作成すると、一定の条件を満たした新規就農者に年間150万円を最長5年間支給する青年就農給付金や、農地集積協力金(経営転換協力金・分散錯圃解消協力金)、認定農業者に対して施設整備などの資金を低利で融資するスーパーL資金の当初5年間無利子化等の政策支援を受けることができる。民主党の菅直人政権下の2011年11月に「食と農林漁業の再生実現会議」が設置され、そこでの議論と答申を踏まえて翌月策定された「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」が人・農地プランの作成の契機になっている。13年3月時点で、プラン作成を希望している市町村のうち、プラン作成に至っている市町村の割合は84%(計1312市町村、7573地域)となっている。