農業生産者が直面する市場条件の変化を表す指標。農業生産における投入物(農業生産資材)の価格水準に対する、生産物(農産物)の価格水準の比率で示される。具体的には、農産物価格指数(総合)を農業生産資材指数(総合)で除して100を乗じて算出する。値が高いほど農業者にとって有利な市場条件になる。1985年を基準とする農業の交易条件指数は、90年で106であったが、90年代中ごろから低下し、2000年に88、05年に85、10年には79まで低下した(1985年以降の最低値は2008年と09年の73)。1980年代後半から日本の農業は停滞の様相を示しているが、90年代中ごろ以降の農業の交易条件の悪化もその一因になっている。この背景には、高齢化や食の外部化の進行、輸入農産物の増大等による国産農産物消費の減少に伴う農産物価格の低迷に加えて、国際原油価格の上昇、国際穀物価格の上昇、リン鉱石の減産等に起因する燃料、飼料、肥料等の農業生産資材の価格上昇が存在していた。