農政の構造改革の一環として、2014年度から創設された直接支払い制度の名称。従来の(1)中山間地域等直接支払、(2)環境保全型農業直接支援に加え、現行の農地・水保全管理支払を組み換えた(3)資源向上支払、多面的機能を支える共同活動を支援するために新たに創設された(4)農地維持支払から構成される。資源向上支払と農地維持支払はまとめて、多面的機能支払とも呼ばれ、農業の多面的機能を支える共同活動や地域資源の質的向上を図る共同活動に対して交付金が支払われる。ただし、新たに創設された農地維持支払は、担い手に集中する水路・農道等の管理を地域で支え、農地集積を後押しすることを目的としているが、本来は大規模農家、零細農家、土地持ち非農家を含め、多様な地域農業の維持を通じて多面的機能が支えられるのであり、本制度は多面的機能支払と表現されつつも、構造政策としての性質を強く帯びている。