太平洋中西部水域において、回遊するマグロ類を管理する地域漁業管理機関。この中に北小委員会が設置され、太平洋クロマグロの管理措置が検討されている。北小委員会のメンバー国は、日本、韓国、台湾、アメリカなどである。太平洋クロマグロは日本沿岸域に回遊することから、日本の漁獲量は全体の約6割を占める。2014年、マグロ類の資源評価を行う北太平洋まぐろ類国際科学小委員会(ISC)がWCPFCに対し、親資源量が歴史的最低水準に近づいていると勧告。それを受けて北小委員会では、1万6000トンの親資源量を24年までに歴史的中間値(1952~2014年までの親資源の変動の中間値)の3万8000トンまで増やす暫定的な管理目標を立てた。対策として、未成魚の漁獲量を基準値(2002~04年の平均漁獲量)の50%に削減。親資源においても、基準年の漁獲量を超えさせないよう管理措置を図ることが決められ、実行に移されている。こうした措置以前から資源の回復が確認され、早期の目標達成も期待されている。ただし、資源は未だ低水準であることに変わりがない。そのことから、中長期的な管理目標の設定と、想定外の加入量(漁獲対象サイズになる量)急減に備える緊急ルールをめぐって議論が行われている。しかしアメリカをはじめ、太平洋クロマグロを漁獲しない国がさらに厳しい管理措置を求めており、議論は困窮している。