発注者の代理人となるCMr(コンストラクション・マネジャー)が入札、発注、契約管理などを総括管理して施工コストの透明化と縮減、適正施工の確保を目指す業務。設計事務所、建設会社、建設コンサルタントなどがCM事業者となる。アメリカで1960年代に始まり、70年代には公共工事で採用され、現在、民間、公共を問わず広く行われており、主要な建設会社の売り上げに占める割合も高い。アメリカの公共発注機関では工事期間とコストの削減、発注部局の専門職員補完、訴訟の回避、複雑なプロジェクトへの対処、工事の品質管理の充実などがCM契約採用の理由である。発注者の代理業務に特化して報酬を得る「ピュアCM」と、発注者の同意の上で複数の専門工事業者と工事請負契約を結んで工事管理を行う「リスク型CM」があり、後者の場合、工事費の最大限度を発注者に保証し、この額を超えれば超過分はCM会社が負担、逆に限度内に収まれば報奨金を得る方式(最大工事費保証 GMP guaranteed maximum price)が多い。日本では近年、コスト構造の透明化と発注者の専門能力不足への対処の意味で注目され、民間の取り組みが先行しているが、国土交通省も試行工事を実施中で、本格的な採用に向けて、02年には「CM方式活用ガイドライン」を策定している。