既存建物におけるアスベスト(石綿)の使用状況調査。アスベストは天然に産する6種類の鉱物繊維(クリソタイル[白石綿]、クロシドライト[青石綿]、アモサイト[茶石綿]、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライト)で、太さ0.02μm~0.03μmと非常に細かい繊維の集合体。不燃性・耐熱性・耐久性・絶縁性などに優れた性質を持つため、建築の吹き付け材や保温・断熱材、成形板などの内外装材として1960年代から90年代前半にかけて使用されてきた。近年空気中に浮遊するアスベストの吸入と、石綿肺・肺がん・悪性中皮腫などの疾病との関連が確認されたため、厚生労働省や環境省が中心となり「石綿ばく露防止対策」としてその使用実態調査を行っている。特に飛散性の高い吹き付け材においては、アスベストの有無を早急に確認し、撤去または飛散防止策を講じる必要がある。調査手順は、(1)竣工図面等から対象建物・対象部位を想定し判断する事前調査、(2)目視による現地調査、(3)サンプリングによる含有調査、(4)除去処理、封じ込め処理のための工法調査、などである。