軸を中心に配置されたドアが回転または移動して開閉する自動ドアの一種。(1)冷暖房効率に優れ空調コストの削減が可能、(2)床面に段差がないバリアフリー製品、(3)ウイングを開放することで大型の荷物や車椅子での出入りが容易、(4)高層建築物におけるドラフト現象(吹き抜けのある高層ビルなどで、ビル内の温度差によって上昇気流が発生し、ドアが開かなくなる現象)を防ぐ、(5)外観のデザイン性向上、などの特徴があり、医療福祉施設や一般のオフィスビルで採用されてきた。とりわけ1999年の省エネルギー法の改正により、それまで規制対象になっていなかった事務所ビル、ホテル、デパート、学校、病院などが新たに対象となり、全国的に普及した。しかしながら、2004年3月26日東京都港区の六本木ヒルズで、自動回転ドアに6歳の男子が挟まれ死亡するという痛ましい事故を受けて、同年6月自動回転ドアに関する安全対策指針が発表され、直径3m以上のものを対象に(1)ドア速度を秒速65cm以下にすること、(2)赤外線センサーのほか接触センサーの取り付け、(3)他形式ドアの併設などが義務付けられた。しかし対象となる施設の多くでは、使用を見合わせたり、通常の自動ドアに変更したところもある。