ビルの屋上や壁面を草花や樹木などで緑化すること。都市におけるヒートアイランド現象(冷房設備の排出熱や車の排気熱などにより都市部で気温が高くなる現象)の緩和や大気汚染の浄化、雨水の流出抑制にも効果を発揮し、良好な自然的環境の創出を図る効果があるとされる。屋上緑化の技術は、これまで草木用土壌を厚く盛るのが一般的であったが、植栽・土壌の重量や、潅水・排水装置の設置などの制約と維持管理、コストの面で敬遠されていた。しかし最近では、腐植泥炭などを用いる軽量改良土のルーフソイルや、ヤシ殻などで作られた植栽基盤を用いた工法が開発され、施工・維持管理が容易になった。特に軽量植栽基盤の開発によって、これまでツル性類植物が主体であった壁面緑化も草花類を用いることができるようになった。こうした状況を受け、良好な都市環境の形成を図るために、2004年6月には「都市緑地保全法」が「都市緑地法」へと改正され、緑化地域においては大規模敷地の建築物の新築・増築を対象に緑化率の最低限度を規制したり、駐車場・店舗などの屋上を立体的な都市公園として定めることができる制度が導入された。