定期借家権(fixed-time house rental)の導入を柱とした、良質な賃貸住宅等の供給促進に関する特別措置法のこと。議員立法により1999年12月成立し、2000年3月施行された。住宅、オフィス、商業施設などの賃貸契約に期限を限定して契約すれば、貸し主は契約期間の更新を拒むことができる。もともと、定期借家権は、借家の供給を促進するという建前で貸し手の利益のために、一定期間終了後に無条件で返還されることが本来の目的であったが、バブルが崩壊して貸し手市場から借り手市場へと転換するなかで、逆に一定期間は居住者が転出しないように契約期間中の賃料支払いを義務付けるシステムになるものとして期待された。なお、土地の賃貸借については、先行して成立した定期借地権(tenancy for years)の制度に対する理解が高まり、定期借地権付き住宅が供給されている。定期借地権については二次流通市場(転売市場)の育成が課題である。定期借地権、定期借家権制度の普及により、住宅を含む不動産市場は、欧米型の合理的市場へと大きく変化することが期待されている。