民間住宅に関して、近時退居時の敷金の精算や入居期間中の修繕を巡る紛争などが多発していることを背景に東京都が制定し、2004年10月に施行された。賃貸住宅にかかわる紛争を防止することを目的とし、原状回復などに関する民法などの法律上の原則を宅地建物取引業者が契約前に説明することを義務化した。説明すべき内容は、(1)退居時の通常損耗などの復旧、入居期間中の必要な修繕は貸し主が行うことが基本であること、(2)賃貸契約の中で借り主が負担することとしている具体的な内容、など。この条例に違反して宅地建物取引業者が説明を行わない時、資料の提出をしなかった時などは東京都が指導勧告を行うことができ、違反者にはその氏名などを公表することで実効性をつけようとしている。