地盤の支持力を増加したり、沈下や膨れ上がりを防止したりするために、地盤を人工的に改善すること。様々な性状の軟弱地盤が分布している日本では、それらに適当できる地盤改良の工法や機械が開発、適用されている。今後、大きな建設需要が見込まれているアジア地域では、軟弱地盤も広く分布していることから、日本の高度な地盤改良技術に対するニーズが高まることが期待される。主な地盤改良工法には以下の工法がある。(1)置換工法は、軟弱土などの悪質な土砂を良質な土砂に置き換える工法である。(2)締固め工法は、振動ローラーやタンピングランマーなどの機械を利用して地盤を締め固める工法である。(3)載荷工法は、載荷重(盛土)による圧密により時間をかけて地盤の強度を増加させる工法である。(4)表層処理工法は、軟弱地盤にセメント系固化材(粉体)を散布し、かくはん・混合して地盤を水和反応により硬化させることで強度を上げる工法である。(5)団結工法は、地盤内にセメントや石灰などの固結材を注入し、土中で混合かくはんし、土を化学的に固結させることにより地盤の支持力の増加を図る工法である。 (6)脱水工法は、真空圧などを利用して土壌の水分を排出させ、地盤の圧密沈下や強度増加を図る工法である。脱水工法はさらに、地盤内にパイプを設置して真空の力で地下水をくみ上げ、地下水位を低下させるウェルポイント工法、深井戸を設置し地下水位を低下させるディープウェル工法、構造物の荷重により、土壌の水分を地盤内に設けた排水層に搾り出すバーチカルドレーン工法などに分類される。