高層建物において、大型柱(スーパー柱)と大型梁(スーパー梁)に力を集中させることにより、地震や風などの外力に耐える強さをもつ剛構造型の構造方式をスーパーストラクチャー構造という。少数の大型柱と大型梁だけで十分な強度とねばりを確保することができるのが特徴である。大型柱や大型梁は通常、鉄骨部材等で構成され、その内部もエレベーターホール、階段、通路など建築空間として利用できる。オフィスビルの大規模化、インテリジェント化に対するニーズから、バブル経済隆盛期より注目され始めた。超高層ビルで一般的に採用されている柔構造型のラーメン構造(梁と柱の交わる角度が荷重などにより変化しない骨組み構造)では、地震や風による曲げ変形が大きすぎて耐力を十分に確保できない場合や、天井高の高い無柱空間や大きな吹き抜けを確保したい場合などに採用される。スーパーストラクチャー構造を採用した代表的な建築物として、東京都庁舎の第一・第二本庁舎(1991年3月竣工)が挙げられる。都庁舎では、4本の箱型鉄柱(ボックス柱)をK型ブレースでつないだ1辺6.4メートルの大型柱8本と10階ごとに設けたK型ブレース入りの大型梁とを緊結して建物全体を支えることにより、スパン(柱間距離)19.2メートルの無柱空間を実現している。