機械土工工事は、道路や空港、ダム等の工事において、様々な種類の建設機械を用いて土砂を掘削、運搬して、盛り固めたり、埋め戻して土構造物をつくる工事である。機械土工工事に使用される建設機械として、ブルドーザー、スクレーパー、油圧ショベル、ホイールローダーなどがある。ブルドーザーは、トラクターの前面に稼働する排土板が装置されており進行方向に土砂を押しならす機械である。なかには後方に岩盤をかきおこす爪(リッパ)を装着するブルドーザーもあり、土砂のかきおこしや盛土、整地に用いられる。スクレーパーは、掘削・積み込み・運搬・敷きならしの一連の土工作業を1台でこなせる機械である。油圧ショベルは、アームの先端にバケットやカッター等各種の部品を付け替えて、掘削、破砕、切断等、様々な用途に使われる自走式建設機械である。一般的には下(後ろ)向きのバケットを取り付けてバックホーとして使うことが多い。ホイールローダーは、前方にバケットが付いたショベルを車輪で走行させて、土砂などをバケットですくい上げてダンプカーに積み込む機械で、油圧ショベルより一度に多量の土砂を積み込むことができる。近年の建設工事の大型化、複雑化に伴い、日本の建設機械の性能は大きく向上している。最近の大規模な機械土工工事として、湯西川ダム本体建設工事(栃木県日光市。堤高119メートル、堤頂長320メートル、堤体積103万立方メートル。工期2008年7月~12年3月)などがある。日本の機械土工工事業者はこれら建設機械を活用し、アジアやアフリカ等の海外でも活躍している。