毎月支払う賃料のことを支払賃料といい、敷金、礼金の負担を考慮した賃料(実質的な負担を示す賃料)のことを実質賃料という。実質賃料は毎月の支払賃料に入居時に支払う敷金・礼金の運用益(一月単位に直す)を加えることによって計算される。敷金は基本的には退室時に返金されるものであり、礼金は返金されないものであるので、敷金の運用益の計算は運用利回り(年)を敷金に乗じて12で割って月額が求められ、礼金の運用益は償却分を加えた年賦償還率を礼金に乗じて12で割って月額が求められる。 したがって、実質賃料(月)=支払賃料(月)+敷金×運用利回り÷12+礼金×年賦償還率÷12。年賦償還率は礼金(返済されない一時金)を契約期間中の各年次に配分する率であり、「礼金の償却率+礼金の運用率」で示され、この合計の率が各年次一定となるように計算される。地域、用途によって敷金、礼金の習慣が異なるので、賃料を比較するためには実質賃料を計算して比較する必要がある。