液状化とは、地盤が地震の振動によって一時的に液体のように振る舞う現象をいう。海岸や河川の近くに分布する比較的地盤が緩く、地下水位が高い砂地盤において発生しやすい。地下水位より下に分布する砂地盤では、積み重なった砂粒子の間に水が充満している状態(飽和砂地盤)にあり、浮力が作用する。砂粒子の重量と浮力の差が、有効応力として砂粒子同士を押し付け合っているが、砂粒子の表面には摩擦抵抗があるので、これが変形に抵抗し、安定な状態を保っている。しかし、地震が発生して地盤が振動すると、飽和砂地盤では間隙(かんげき)水がすぐには排出されず、砂が詰まろうとする動きを妨げるため水圧が上昇し、それによって有効応力が低下する。このような現象が進み有効応力がゼロになると、砂粒子間の摩擦抵抗もゼロになるため、砂は液体のように振る舞う。砂粒子は互いに離れ、水中に浮いたように泥水化する。この結果、バラバラになった砂粒子は沈み、水は地面に出てくる。また、地面の裂け目から砂混じりの水が噴き出すこともある。
液状化により、地盤が沈下したり、建物等の比重の大きい構造物では支持力が低下して埋もれたり倒れたり、下水管等の軽い地中構造物は浮き上がったりすることがある。東日本大震災(2011年3月)でも液状化が発生し、地盤や構造物に大きな被害をもたらした。東京都や横浜市など一部の地方自治体では、液状化予測図を作成、公開している。