液状化対策は、地盤の液状化を防止する対策と、液状化が発生しても構造物が被害を受けないようにする構造的な対策に大別される。
前者には、(1)締め固め(密度増大)、(2)固結、(3)粒度改良、(4)飽和度低下(地下水低下)、(5)間隙(かんげき)水圧制御・消散、(6)せん断変形抑制の工法がある。締め固めの工法には、サンドコンパクションパイル工法(強固に締め固めた砂杭を地中につくる)、バイブロフローテンション工法(バイブレーターの振動と注水により締め固める)がある。固結の工法には、深層混合処理工法(セメントを地盤の深くまで混合させ固める)、注入固化工法(セメント系の固化材で地盤を固める)がある。粒度改良の工法には、置換工法(軟弱層を除去し良質土に置換する)がある。飽和度低下の工法には、ディープウェル工法(深井戸を設け強制排水する)、排水溝工法(トレンチ暗渠[あんきょ]により地下水を自然流下させる)がある。間隙水圧制御・消散の工法には、グラベル・ドレーン工法(砕石の柱をつくり水の逃げ道をつくる)、ウェルポイント工法(揚水管を設け強制的に排水する)がある。せん断変形抑制の工法には、地中連続壁工法(剛性の高い鉄筋コンクリート壁などを地中に構築し、液状化層のせん断変形を防ぐ)、シートパイル締切工法(地盤の流動を抑制して変状を防ぐ)がある。
一方、後者の構造的な対策には、建物等の重い構造物に対して、基礎杭を堅固な地盤まで打ち込む、杭基礎や布基礎を設計段階から補強する、護岸を強化する、浮き上がり防止用杭や矢板を用いる方法がある。また、下水管等の軽い地中構造物に対して、地盤変位吸収ができる可撓継手(配管の挙動にフレキシブルに追随し芯ずれを吸収する継手)を用いる方法がある。