順打ち工法と逆打ち工法を同時に併用して、地下階の躯体(くたい)を構築する工法のこと。鉄筋コンクリート造が主体の地下階の躯体を造るにあたり、最初に全部の土を掘削し、下から上に順番に躯体のコンクリートを打設して造っていくのを順打ち工法という。それとは反対に、建築物の地下躯体を上から下に向かって造っていくのを逆打ち工法と呼ぶ。地盤面から下にある各層の床を、山留め壁を押さえる支保工(仮設構造物)として構築しながら、1層ずつ掘り下げていく。ハイブリッド地下工法では、まず逆打ち工法で作業ができる1階の床を造る。地下階を造りながら、順打ち工法で地上階を同時に造る。この工法には、工期が短縮できるなどのメリットがある。東京スカイツリーの塔体の足下には、駐車場や商業施設などの周辺低層棟が敷地いっぱいに造られているが、この周辺低層棟をつくるためにハイブリッド地下工法が用いられた。まず、塔体の工事を最優先に進めるために、順打ち工法により塔体の脚部だけを先行して掘り下げ、掘り出した杭頭につなげて、そこから上に鉄骨を積み上げた。その一方で、周辺低層等の地下躯体は、塔体とは逆に上から下に地下を造る逆打ち工法により施工された。