鉄筋コンクリート構造や鉄骨鉄筋コンクリート構造の構造体や外壁などを1層ごとに組み立てて仕上げ、設備などの工事までを同時に行って完了させていく工法をいう。建設工事が同じペースで行われ、構造体の後を追って、層ごとに進めて行き、下に行くほど仕上がっている状態となる。この工法の特徴は、従来、鉄骨だけを先行して組み立てていたのに対して、躯体(くたい)及び外装工程が施工最上部に集約するため、施工中の建物の外観がきれいであること。外装材を早期に施工するので飛来落下の心配がなく、仕上げ工程を早めることができる。さらに、仮設材が減り、高所作業が少なく、工事を安全に進めることができる。積層工法がもたらす、資材のプレハブ化により現場労働の省力化、工期の短縮化、品質の向上、さらには、繰り返し作業による熟練によって生産性の向上を図ることが可能である。課題として、各種作業を直前に完成した層の上のフロアで施工しなければならず、そのフロア上での躯体構築時、鉄骨建方に伴い、資材の飛散防止や作業者の転落防止のために、フロア外周に外周養生枠を設置する必要がある。