「2012年1月1日の地価公示」によると、11年中の地価変動率はマイナスであったが、その下落幅は全国、大都市圏ともに前年を下回った。「12年7月1日の都道府県地価調査」による1年間の地価変動率もマイナスではあったが、全国、大都市圏ともに前年のマイナス値は縮小した。3大都市圏の商業地の下落率は2.2%から0.8%に、住宅地の下落率も1.7%から0.9%に縮小した。地方圏をみると、商業地が下落は4.8%から4.1%に、住宅地の下落率は3.7%から3.2%に縮小したが、商業地、住宅地の下落率は3大都市圏と比べると大きく、3大都市圏との差は前年に比べ大きくなっている。
最近の地価の動向を国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告」によってみると、東京圏の場合、11年は過半の地点が四半期0%から3%下落であったが、12年は過半が横ばいであり、四半期0%から3%上昇の地点も増加した。大阪圏は11年と同様に12年も横ばいの地点が過半を占めるが、四半期0%から3%上昇の地点が増加している。名古屋圏は、11年は横ばいの地点が過半を占めていたが、12年に入るとむしろ四半期0%から3%上昇の地点の方が横ばい地点より多くなった。総じて3大都市圏では回復傾向が読み取れる。地方圏では回復の程度は大都市圏ほどではないが、11年は四半期0%から3%下落の地点が過半であったが、12年は横ばいの地点の方が多くなった。地方圏は大都市圏に比べると回復力は弱い。