底地とは借地権付き土地の所有権をいう。所有権には、本来そのものを「使用」「収益」「処分」する権能があるが、底地の所有権者にはこの権能のうち直接使用、収益する権能がないことになる。底地の経済価値は、賃貸借契約期間中に賃借人が支払う地代から固定資産税など必要経費を差し引いた純収益の現在価値と契約期間終了後に復帰する価値の現在価値から構成される。しかし、借地権には定期借地権と旧法に基づく普通借地権があり、どの借地権が付与されているかにより底地の経済価値は異なる。なぜなら定期借地の場合、基本的に契約終了後、土地は底地権者に戻ってくるのに対して、普通借地の場合は、正当な事由がない限り賃借人の契約の更新を拒むことはできないことから、契約終了後に土地が底地権者に戻ってくるとは限らない。したがって、普通借地権の場合の底地の経済価値は契約終了後、更新料を受け取って借地が継続することを前提にして求めることになる。一方、定期借地権の場合の底地の経済価値は、契約終了後に更新しないことを前提として求められるので、契約終了期間が近くなると高くなる傾向にある。借地権設定時の借地権料(一時金)の額はどの程度であったかも、実際の支払い賃料の大きさに影響を与えることから、借地権料(一時金)は底地の経済価値に大きな影響を与える。