鉄道の地下化工事で線路を切り替える際、地下の新線を完成させておき、現在線が載っている地上の桁を降下または上昇させることにより、仮線を設けずに営業線の直下に短時間で切り替える工法。線路の切り替えを上下方向に行うため、工事桁下で計画地下線を事前に構築しておき、クレーンを使って、わずか数時間で地上線から計画地下線に切り替えて開通を完了させる。仮線方式で懸念される用地確保に伴う事業遅延リスクを低減し、在来線の運行を妨げることなく、早期立体化による便益効果が期待できる。この工法は、1989年、東急池上線戸越銀座~旗の台駅間と都道との連続立体交差事業において最初に用いられた。最近の事例としては、2012年に京王線調布駅付近の連続立体交差事業において、地上線から地下線への切り替え工事が実施された。また、13年3月に東急東横線代官山駅付近で、横浜寄りの在来線と、渋谷寄りの地下新線とを接続したが、この切り替え工事によって、東武東上線、西武池袋線・西武有楽町線、東京メトロ副都心線、東急東横線、横浜高速みなとみらい線がひとつの路線としてつながった。