「2013年1月1日の地価公示」によると、12年中の地価変動率はマイナスであったが、その下落幅は全国、大都市圏ともに前年を下回った。「13年7月1日の都道府県地価調査」による1年間の地価変動率は、住宅地をみると名古屋圏が前年の-0.2%の下落から0.7%と上昇に転じ、他の都市圏は下落したものの前年より下落率は低下して3大都市圏全体では下落率が0.1%とほぼ横ばいとなった。商業地をみると3大都市圏は前年の-0.8%から0.6%の上昇に転じた。大都市圏における回復がみて取れる。地方圏をみると、住宅地の下落率は3.2%から2.5%に。商業地の下落率は4.1%から3.1%に縮小したが、大都市圏と異なり上昇に転じてはいない。
最近の地価の動向を国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告」によってみると、東京圏の場合、12年は横ばいの地点が60%を占めていたが、13年は下落地点がなく、第1、2四半期0%から3%上昇の地点が過半を占め、第3四半期は70%を超える。大阪圏の場合、12年は横ばいの地点が過半を占めるが、第4四半期0%から3%上昇の地点が増加し、13年は第1、2四半期0%から3%上昇の地点が過半となり、第3四半期は70%を超える。名古屋圏の場合、12年には第2四半期より0%から3%上昇の地点の方が横ばい地点より多くなっていたが、13年の第2、第3四半期では全地点が0%から3%上昇となった。3大都市圏では確実に上昇に転じている。地方圏の主要都市も大都市圏ほどではないが、12年は横ばいの地点の方が多かったのが13年には第2四半期0%から3%上昇の地点が多くなり、第3四半期には過半を占めるようになる。地方圏といっても中心都市であるが、回復している様子がわかる。景気回復の兆しの効果が地価にも影響を与えているといえる。