従来の高層マンションに比べて際立って高いマンションを、その外観の形態からタワーマンションと呼称するが、法的な定義はない。超高層マンションの建設には、容積率や日照権などの問題から広い土地が必要であったが、1997年に規制緩和されて、容積率上限を600%まで、日影規制の適用除外とする「高層住居誘導地区」が設定されたことから東京都心や湾岸地域などで建設が始まり、都心回帰現象が起こった。その後、大都市近郊の鉄道沿線や地方都市などにも大量に供給されるようになり、2015年時点で160メートル以上のものは、建設中のものを含め約60棟に上る。規模が大きいことから区分所有者の人数も多く、低層階と高層階との価格格差が大きい。巨大地震の長周期地震動による家具の転倒や天井の落下、エレベーターに閉じ込められる事故などを防止するための対応が求められている。エレベーター停止による「高層難民」の発生も懸念される。また、気圧が地上と異なることによる健康への影響や、高層階に居住することにより外気に直接触れる機会の減少、高所への恐怖感が乏しくなること(高所平気症)による子どもの発育への影響や転落事故の増加が心配されるなど、居住面での課題も多い。