「2015年1月1日の地価公示」によると、14年中の地価は3大都市圏、地方中核都市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)については住宅地、商業地ともに前年に続き上昇したが、地方圏は下落率が前年を下回ったものの依然として下落している。
「2015年7月1日の都道府県地価調査」による1年間の地価変動率は、住宅地をみると、大阪圏は0%であったが、東京圏が0.5%、名古屋圏が0.7%の上昇であった。3大都市圏全体では上昇率は前年の0.5%とほぼ同じで0.4%であった。地方中核都市の上昇率は前年の1.3%から1.7%と高くなっている。商業地をみると3大都市圏の上昇率は前年の1.7%から2.3%と高くなっており、地方中核都市の上昇率も前年の2.6%から3.8%とさらに高くなっている。一方で、地方圏をみると、住宅地の下落率は前年の1.9%から1.6%に。商業地の下落率は前年の2.5%から1.9%に縮小しているものの依然として下落を続けている。
最近の地価の動向を国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告書」によってみると、東京圏の場合、14年第3~4四半期に四半期の上昇率が0%から3%の地点が大半(85%超)を占め、15年第1~3四半期も同様な傾向を続けているが、3%から6%上昇する地点も銀座、虎ノ門、表参道など都心地域で表れている。大阪圏は14年中0%から3%上昇の地点が大半(80%弱)を占め、15年第1~3四半期も同様な傾向を続けているが、3%から6%上昇する地点も心斎橋、なんばなど都心地域で表れている。名古屋圏は14年中すべての地点が0%から3%上昇の地点となっていたが、15年第1~3四半期は都心地域で6%以上とかなり高い上昇率を示す地点が表れた。3大都市圏の都心地域で地価の上昇率が高くなっている様子が分かる。地方圏の主要都市も14年中0%から3%上昇の地点が大半(75%超)を占め、15年第1~3四半期も同様な傾向を続けているが、福岡市博多駅前では3%から6%上昇している。地方圏でも地方中核都市など一部地域で地価が上昇し始めている。