不動産登記法は、不動産登記に関する手続きを定めた法律であり、1899年に制定され、最近では2004年に全面改正された。不動産登記は、土地や建物の所在・面積のほか、所有者の住所・氏名などの権利関係が公の帳簿(登記簿)に記載し、これを一般公開することにより、取引の安全と円滑をはかる役割をはたす。登記簿には表題部と権利部があり、表題部には土地であれば所在、地番、地目(土地の現況)、地積(土地の面積)などが、建物であれば所在、地番、家屋番号、種類、構造、床面積などが記載される。権利部(甲区)には所有者に関する事項(所有者、取得の原因など)、権利部(乙区)には抵当権など所有権以外の権利に関する事項が記載されている。日本の不動産登記には公信力はないが、公示力がある。登記の公示力は登記名義人が不動産の権利人であることを第三者に示す力であり、登記名義人は善意の第三者に対して自分が権利者であることを主張できる対抗要件をもつ。一方ドイツなどは登記に公信力を持たせているが、登記の公信力は公示力よりもさらに強く、登記名義人が真の権利人であることを第三者に信じ込ませる力であり、登記上の表示を信頼して不動産を取得した者は登記名義人がたとえ真の権利人でなくとも一定の要件のもとでその権利を取得することが認められる。