「2017年1月1日の地価公示」によると、16年中の地価は3大都市圏、地方中核都市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)については住宅地、商業地ともに前年に続き上昇した。特に地方中核都市の上昇が目立っている。しかし、地方中核都市を除く地方圏は下落率が前年を下回ったものの依然として下落している。
「2017年7月1日の都道府県地価調査」による1年間の地価変動率は、住宅地をみると、大阪圏は0%であったが、東京圏が0.6%、名古屋圏が0.6%の上昇であった。3大都市圏全体では上昇率は前年の0.5%とほぼ同じで0.4%であった。地方中核都市の上昇率は前年の2.5%から2.8%とさらに高くなっている。商業地をみると3大都市圏の上昇率は前年の2.9%から3.5%と高くなっており、地方中核都市の上昇率は前年6.7%から7.9%と高い水準を維持している。一方で、地方圏をみると、住宅地の下落率は前年の1.4%から1.1%に、商業地の下落率は前年の1.5%から1.1%に、それぞれ縮小しているものの依然として下落を続けている。
最近の地価の動向を国土交通省の「主要都市の高度利用地地価動向報告書」によってみると、東京圏の場合、15年第1~4四半期に四半期の上昇率が0%から3%の地点が大半(80%超)を占めていたが、16年以降80%を割り込むようになり、16年第3四半期から横ばいの地点も4分の1弱に増加した。大阪圏は15年第3四半期からほとんどの地点が上昇することとなり、心斎橋、なんば、三宮駅前は3%から6%上昇した。名古屋圏は13年第3四半期から18期連続すべての地点で上昇し、2015年以降名駅前、太閤口は3%から6%上昇した。地方圏の主要都市も16年第4四半期から80%以上の地点が上昇し、札幌市、福岡市、仙台市などの都心地区では3%から6%上昇している。地方圏でも地方中核都市など一部地域で地価が上昇している。