マンション市場には新築(分譲)マンション市場と中古マンション市場がある。新築マンション市場の売り手は不動産業者であり一度に大量の住戸を供給するのに対して、中古マンション市場の売り手は一般的に個人であり自己所有住宅一戸を供給する。マンション市場の動向を(株)不動産経済研究所の「マンション市場動向」によって首都圏と近畿圏のマンション供給量と新築マンション平均価格をみる。首都圏の新築マンション供給戸数は2015年が4万0449戸(前年比9.9%減少)、16年が3万5772戸(前年比11.6%減少)とかなり減少したが、17年の供給戸数も3万5898戸であり、前年比0.4%増と僅かに増加しただけである。近畿圏の新築マンション供給戸数をみると、15年の新築マンション供給量は1万8930戸(前年比0.6%増)、16年は1万8676戸(前年比1.3%減)とほぼ横ばいであったが、17年の供給戸数は1万9560戸であり、前年に比べ4.7%増加した。一方で新築マンション価格をみると、首都圏の新築マンションの平均価格は、15年の平均価格が5518万円(前年比9.1%上昇)、16年の平均価格が5490万円(前年比0.5%下落)と高値で安定していたが、17年の平均価格は5908万円と前年に比べさらに7.6%上昇しており、マンション価格の高値と供給戸数の減少が関連しているように思われる。近畿圏の新築マンションの平均価格は、15年の平均価格が3788万円(前年比3.9%上昇)、16年の平均価格が3917万円(前年比3.5%上昇)と上昇傾向にあったが、17年の平均価格は3836万円と、前年に比べ2.1%下落した。近畿圏については、17年は新築マンションの平均価格の下落とマンションの供給量の増加が関連しているようにみえる。