一般家庭や法人事業所などと電気通信事業者の通信回線との間を直接接続する無線システムのこと。従来は、WLL(wireless local loop 無線ローカルループ)とよばれた。固定無線技術はIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers アイトリプルイー電気電子学会)802委員会により世界標準規格として策定されている。利用ケースで技術が異なり、3市場に分類される。(1)無線PAN(wireless personal area network)。Bluetooth、ZigBee、UWBの3規格があり、短距離での無線通信を実現する。Bluetooth〔ブルートゥース〕は無線PAN技術のなかで最も普及している。ZigBee〔ジグビー〕はセンサーネットワーク〔センサーによりデータを収集し、適したサービスを提供するネットワーク〕の特徴を持つ。UWB〔ultra wideband 超広帯域無線〕は位置測定、レーダー、無線通信の機能をもち、ITSやホームセキュリティー、位置情報確認装置などに使われている)。(2)無線LAN(wireless local area network)。IEEE 802.11a/b/gの三つの規格が標準化されている。(3)無線MAN(wireless metropolitan area network)。実用化のめどが立ち始めた規格WiMAX(worldwide interoperability for microwave access)の技術を利用した製品開発、通信インフラ網の整備、高速無線通信サービスの提供に向けて積極的な活動が行われている。ユビキタス社会(いつでも、どこでも自由に情報共有が可能な社会)の実現手段の一つとして注目される。