政府IT戦略本部による「IT新改革戦略政策パッケージ」(2007年4月)で掲げられた、国民が実感できる実現目標の一つとしての「ワーク・ライフ・バランスの実現のためのテレワークの推進」の施策。「e-Japan戦略2」(03年7月)でテレワーク人口の数値目標が示されたのに続くもので、「10年までにテレワーカーが就業者人口の2割を達成することをめざす」としている。テレワークとは、「テレワーク白書2007年版」によれば、「情報通信技術(IT)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義され、対象者の就業形態や実施場所、実施頻度により細かく分類される。国内のテレワーク人口は、05年時点で就業者全体の約10%、アクションプランは、この倍増目標を達成するための工程表や関連省庁の施策展開(情報通信システム基盤の整備、制度環境の整備、テレワーク推進環境の醸成や分野別の普及推進施策など)について言及し、「テレワーク推進に関する関係省庁連絡会議決定」として07年5月に公表された。アクションプランに関連し、すでに07年4月から、新設されたテレワーク環境整備税制によりシンクライアント(ユーザーのパソコン端末には最低限の機能に限定し、サーバーがソフトウエアなどを管理するシステム)などのテレワーク関係設備の導入を行う際に、固定資産税の軽減措置がとられている。テレワークは、少子高齢化の進展や国内労働力人口の減少などといった経営環境の変化のなかで、企業の国際競争力確保、従業者の生産性向上の解決策の一つとして、有効と考えられている。