放送に関する不祥事や経営環境の変化に対応するために検討されている、放送制度の改革。NHKに対しては、2004~05年に不祥事の発覚が相次いだことや番組への政治介入が疑われたことから、批判が受信料の不払いなどの形で表面化した。これを受けて、「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」(06年6月)で、経営委員会の抜本的改革、保有チャンネル数の削減、一部事業の分離、国際放送の強化、受信料引き下げ・義務化などの検討が進められることになった。さらに、関西テレビの人気番組「発掘!あるある大事典2」で起きたデータ捏造(ねつぞう)問題をきっかけに、テレビ局全般の放送倫理が強く問われた。一方で、テレビ放送デジタル化のための設備負担で、全国ネットワークを支えている地方テレビ局の経営が厳しさを増している。放送事業経営の自由度を上げるために、放送持ち株会社を認めるべきではないかとの意見もある。これらの問題に対応するために立法的な対応が検討され、07年12月に放送法が改正され、NHK経営委員会の監督権限の強化などが行われている。