2007年に起きたアメリカにおけるメディアの再編劇。8月1日、ルパート・マードック率いるニューズ・コーポレーションはウォール・ストリート・ジャーナル紙を発行するダウ・ジョーンズを約56億ドルで買収すると発表した。アメリカでは新聞社の経営が悪化しており、ロサンゼルス・タイムズなどを発行するトリビューンが、82億ドルで持ち株の40%を取得されるなど、投資家などからの買収圧力にさらされている。また、4月には、アメリカ第1位のラジオ局チェーンも、193億ドルで投資家に買収された。新聞、ラジオなど大手メディアの買収劇の背景には、グーグルに代表されるインターネットサイトが流す、ニュースの影響が大きい。そのグーグルは、広告販売などでラジオ・新聞メディアと提携を結び、地方メディアの特色を生かす戦略をとる。アメリカ大手メディアコングロマリット、タイム・ワーナー、ニューズ・コーポレーション、バイアコム、ウォルト・ディズニーの4社は、デジタルメディアへの出資・買収と、グローバルなコンテンツ、たとえば金融情報やメジャースポーツなどの取得、という2大戦略をとっている。タイムワーナーはAOLを傘下に収め、バイアコムはインターネット映像配信のJoostなど、新たなオンライン配信メディアに投資し、次世代メディアの成長戦略を描いている。