顧客が商品やサービスを購入・利用する際、その購入額、利用額に応じて企業が顧客に発行・付与し、次回以降の割引購入や様々な特典との交換に利用可能な経済的価値をさす。経済産業省の「企業ポイント研究会」で用いられた。具体的にはスーパーマーケットや家電量販店、クレジットカード会社等が発行する各種ポイントや航空会社が発行するマイレージのことで、主に自社の顧客引き留めや囲い込みを目的としている。企業ポイントはその原資を企業が負担し、企業ポイントそのものを顧客が購入(原資を顧客が負担)することは現状では行われておらず、この点で電子マネーとは異なる。しかし、経済的価値が電磁的に記録され、付与されたポイントを他企業の商品やサービスの購入・利用に使用可能だったり、電子マネーや現金に交換可能といった通用性の高まりにより、その性質は電子マネーと酷似してきている。このため、企業通貨とよぶ場合もある。企業ポイントの発行額は正確な把握が困難だが、野村総合研究所の推計では、2005年度で少なく見積もって4500億円。また、「企業ポイント研究会」は、主要50社のポイント引当金合計額が、07年6月時点で3000億円弱としている。ポイント引当金は、ポイントが発行年度内に利用されるとは限らないため、年度内に利用されるであろうポイント相当額を、過去の実績に基づき推計して計上されている。国際会計基準理事会の関連組織は、07年7月、ポイントの会計処理をめぐり、顧客が付与されたポイントを利用するまでその相当額を負債に計上する初の統一指針をまとめた。日本ではポイント交換が盛んに行われているため、この指針を適用すれば会計処理が煩雑になるとの指摘もある。