ソフトウエアを自社システムに導入するのではなく、ネットワークを経由してサービスプロバイダー側のシステムに接続し、サービスとして利用するモデルのこと。従来からあるASPサービス(アプリケーション・サービスプロバイダー・サービス)とは、マルチテナント型(ひとつのシステムを複数のユーザー企業で共有する)、柔軟なカスタマイズ性といった点で異なる。SaaSを導入することで、初期費用の削減や導入期間の短縮が可能になる。また、ソフトウエアのバージョンアップやパッチ適用などをサービスプロバイダー側で実施するため、ユーザー企業側の運用負担も軽減される。一方で、一つのシステムを複数のユーザー企業で使うことから、システムの安定性やセキュリティーが課題として指摘されている。主要なサービスプロバイダーとしては、業務向けサービスでは、セールスフォース・ドットコムやネットスイートといったSaaS専業ベンダー(販売会社)がある。また、SAPやOracleなどの大手パッケージ・ソフトベンダーもSaaS関連製品を提供している。デスクトップ(個人向け)・サービスでは、グーグルやマイクロソフトが、電子メールやワープロ、表計算などの機能をオンラインで提供している。