利用者の生体的な特徴(指紋、静脈、虹彩、顔、声紋など)をシステムに登録しておき、アクセスの都度入力される生体的な特徴と登録されたデータを照合することにより安全、かつ確実に本人確認をする仕組みのこと。IDカード等の持ち物による認証やパスワードを介した認証では、紛失や忘却によって認証ができない可能性がある。また、盗難や漏洩等により、悪用される危険性もある。一方、生体認証は利用者の生体的な特徴に基づき認証を行うため、第三者によるなりすましや偽造の危険性が極めて低くなる。ただし、偽造やなりすましの危険性は完全には排除できず、万が一偽造された場合、生体情報は基本的に一生涯不変のため、再設定することができないなどの問題もある。また、認証の精度や認証システムの標準化など、解決しなければならない課題もある。実用例としては、指静脈認証を利用したICキャッシュカード、ATM(現金自動預け払い機)、パソコンのログインシステム、網膜認証を利用したドアロックシステムなどがある。