プロバイダー責任とは、プロバイダー(ISP インターネット・サービスプロバイダー 接続サービスの提供業者)が提供するサーバー上に設置された掲示板などに、プライバシー侵害や名誉棄損にあたる情報が書き込まれたときに、プロバイダーが負うべき責任のこと。制限法(正式名称は特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)が施行され、責任の範囲が規定されている。特定電気通信役務は、インターネット上のホームページや掲示板など不特定の視聴者によって閲覧されることを目的とする通信サービスをさす。こうしたサービスを利用して発信される情報にはプライバシー侵害や名誉棄損など、他人の権利を侵害する情報が含まれる場合がある。ISPが権利侵害の有無を的確に判断することは困難であるため、情報発信者および権利を侵害されたとする者の双方から責任を問われる可能性がある。法律はプロバイダーなどが自主的に問題に対応できる環境を整備、被害者の迅速な救済を可能にすることを目的としている。問題の情報を削除したり、その情報の発信者に関する情報を被害者に開示する場合の免責要件を定めており、プロバイダーの責任を明確化している。発信者側には一方的に情報が削除されたり発信者情報が開示されたりする恐れがなくなり、被害者側には情報削除や発信者情報の開示を請求できるようになった。