地上アナログ放送が2011年7月に停波(終了)した後の空き周波数帯を利用した携帯向けマルチメディア放送。一斉伝送された映像を見る現行のワンセグ放送と異なり、電波を使って映像情報を個別にダウンロードして視聴する蓄積型放送が可能になる。ユーザーは、映像、画像、音声、文字などさまざまなジャンルのコンテンツを数十ものチャンネルで有料視聴できる。携帯端末向けマルチメディア放送の規格を巡っては、映像系規格では、アメリカのクアルコムが推奨し、既にアメリカで商用サービスが開始されているMediaFLOと、民放テレビ局などが共同して推進するISDB-Tmmの二つがあったが、最終的には10年9月に総務省がISDB-Tmm方式を選定した。アメリカでは日本に先行する形でMediaFLO方式を用いたサービスが提供されていたが、利用者数が伸びず、11年3月末でサービスを終了している。一方、日本では、ISDB-Tmm方式を用いて、12年4月よりmmbiがNOTTVという携帯端末向けマルチメディア放送を開始した。しかし、16年6月30日にサービスを終了すると発表された。