下り(電気通信事業者の設備から利用者の端末へ)の伝送速度最大100Mbps(メガビット/秒)が実現できる、ワイヤレス版 FTTHとして期待されている次世代高速無線ネットワーク技術である。W-CDMA系通信方式の第3.9世代(3.9G)に当たる。LTEは、2009年3月に国際標準化団体の3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化された。日本では、10年12月にNTTドコモがXi(クロッシィ)の名称で国内初のLTE商用サービスを開始した。なお、au(KDDI)、ソフトバンク、イー・モバイルも12年内に開始する予定である。LTEが期待されている一方、LTE用周波数帯域の確保、さらに、携帯電話事業者のLTE採用に関する戦略が議論となっている。まず、LTEは、100Mbps超を実現するために必要となる10M~20MHz(メガヘルツ)幅の周波数帯域が必要とされ、国によって周波数帯域の確保が困難である。また、LTEは、W-CDMAの第3.5世代技術ともされるHSPA(high speed packet access)とは違い、新しい無線ネットワークを構築する必要があることから、多くの投資が必要となる。そのため、既存のネットワークと互換性を持ち、新しい無線ネットワークを構築する必要がない、下りを高速化するHSDPA、上り(端末から基地局の方向)を高速化するHSUPAの後継方式である、HSPA+を採用する戦略が議論となっている。HSPA+の伝送速度は、上りで最大22Mbps、下りで最大12Mbpsを実現する。