電子選挙は、投票行為及び選挙運動にインターネットなどITを利用することの総称。電子投票は、開票時間の大幅な短縮や人件費の削減、疑問票や無効票の減少、自書が困難な障害者や高齢者も代筆なしで投票が可能になるといったメリットがあるが、セキュリティー等課題があり、国政選挙での利用は実現していない。電子的な選挙運動は、インターネットを利用することにより、候補者は、わかりやすく充実した情報を有権者に直接発信することが可能となり、有権者の側からも、双方向性を生かし、候補者、政党に意見を述べ、政治に直接働きかける機会を得ることが出来る等のメリットから投票率の向上などが期待される。現行は、ウェブページや電子メールが公職選挙法の「文書図画」に該当するとされ、インターネットを用いた選挙運動に関して規制が加えられているが、過去10数年にわたり解禁が議論され、2002年に総務省「IT時代の選挙運動に関する研究会」がホームページを中心とした選挙運動のネット利用の解禁を求めた。また、10年6月には、与野党協議会で選挙活動におけるネット利用の解禁が合意された。しかし、首相交代による民主党代表選などの影響で国会審議が進まず、10年の通常国会での公職選挙法改正法案の成立は実現しなかった。