企業やその商品・サービス、ブランドが消費者を引きつけ(engage)、その商品・サービスの購入につながることが期待されるほどに良好な関係が築かれている状態やその関係性を指す。企業と従業員の関係性を示す従業員エンゲージメントと区別されるが、単にエンゲージメントと呼ぶこともある。近年、ツイッターやフェイスブックに代表されるソーシャルメディアの利用者が世界的に増加していることを受け、企業側で一般消費者のコミュニケーション手段の一つとしてソーシャルメディアを活用する動きが広がっており、顧客エンゲージメントは改めて注目されている。かつて顧客エンゲージメントは、アメリカの広告業界を中心にテレビ視聴率や新聞・雑誌の購読部数に代わる新たな広告価値を示す指標とすることが提唱され、その後、消費者の心理や行動に基づきエンゲージメントの強弱を測定できる指標化の試みが続けられているが、統一指標の確立には至っていない。例えば、フェイスブックを活用する企業のなかには、その企業のファンの数のうち企業の発信情報に対するユーザーからのコメント数などの割合をエンゲージメント率とし、この向上を目標にする企業もある。