端末のみでネットワークを構成する端末間通信ネットワークシステムの一つの形態。国際規格策定が急がれているIEEE802.15.8では、無線通信を使い地域を面的にカバーすることを目標としており、そのための技術として注目されている。他の端末間通信技術と異なる点は、中央制御局を用意する必要がなく、セキュリティーを備えた上で1対不特定多数へ送信するブロードキャスト通信を行う仕組みであること。情報通信研究機構(NICT)は2014年5月から、東京と京都で実証実験を実施している。地域内を移動する移動端末を含めた柔軟な無線通信ネットワークを構成し、地域に密着した幅広い情報の配信、収集・共有が可能で、災害時に地域通信を補完できる特長がある。PACについて日本、韓国、アメリカなど世界各国が取り組みを始めており、さまざまな異なる方式が提案されている。標準規格への採用が決まると、実用段階に発展する可能性がある。