消費者の生データを所有し、それらのデータを基にビジネスを展開する企業のことを、特にアメリカを中心にデータブローカーと呼ぶ。日本では名簿屋として知られており、2014年7月に発覚したベネッセコーポレーションの大規模個人情報が名簿屋に流出したことで、日本でのデータブローカーの実態に関心が高まった。ただし、アメリカでは日本の名簿屋とは異なり、年商約11億ドルのAcxiom社を始め複数の巨大企業が存在しており、多くの消費者にも知られている企業が多い。事業内容も、マーケティング目的だけでなく、不正検知のためのリスク軽減ビジネス等を提供し、金融機関の本人確認に用いられているなど、社会において欠かせない事業の一つとして位置づけられている。しかしながら、アメリカにおいても日本同様、これらデータブローカーが消費者の個人情報などを、消費者が認識していない形で利用する事例がでてきている点が現在問題視されている。アメリカ連邦取引委員会は、データブローカーのビジネス実態の透明性を向上するよう提言し、現在、アメリカ議会において透明性を高める仕組みの導入を義務づける法案が提出され、審議されているところである。