インターネットの運営・管理のために必要な技術を設計・管理していくための政策のこと。具体的には、インターネットの技術標準やインターネットアクセスに必要なIPアドレスなどのインターネット資源、ドメインネームシステム(DNS)などのインターネットアーキテクチャーの仕様や管理方法についての政治的取り決めを策定することである。したがって、技術的なアーキテクチャーそのものや、そのアーキテクチャーをコントロールする官民の主体やルール、アーキテクチャーに関する政策はインターネットガバナンスとなる。政策決定主体としては、各国政府機関や1988年にアメリカで設立された民間の非営利法人The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers (ICANN)が主な主体となる。ICANNはインターネット資源管理組織であり、IPアドレスやドメイン名などのインターネット上の通信において識別情報として用いられる各種情報資源の管理や割り当て、改廃、調整、運用ルールの策定などを行っている。インターネットガバナンスにおいては、このような関係主体が連携し、国家が行うガバナンスと、国境に縛られない私的メカニズムとの間の適切な力のバランスを取るような政策を検討することが求められている。