データポータビリティーとは、一般的にはある情報システムに登録したデータを、利用者が自らの意思で別の情報システムに移行可能であることを指す。諸外国では、個人情報の分野でデータポータビリティーを法的な権利として位置付けようとする動きがある。2018年に施行されるEU一般データ保護規則では、個人は(1)自らが企業等に提供したデータを、構造化された、一般的に用いられる、機械可読なフォーマットで受け取る権利を有すると共に、(2)技術的に可能な場合には、ある企業のサービスから別のサービスに直接移転する権利を有するものとされている。この権利により、例えばあるソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に登録したデータを一括でダウンロードしたり、IoTデバイスなどから取得された移動履歴や生体情報を、別のIoTデバイスに直接移転して利用することなどが可能になる。