顧客の求めるものがニーズ、これに対してメーカーが新しく提供する特別の技術や材料がシーズ。新製品の開発ではこの二つの要素が重要となる。顧客の満たされていない欲求を探索し、それに合う商品を作る場合はニーズに重点が置かれ、新しい技術や素材を開発して、それを生かした商品を作る場合はシーズに重点が置かれる。市場が成熟し顧客が自分の欲しいものがわからない状態、つまり知覚されないニーズの段階では、深いニーズへの洞察と同時にシーズの革新を強化しなければならない。新しいシーズに出合って初めて潜在願望が需要として顕在化するからである。顧客が先に、カメラ付きケータイや機能性飲料を求めたのではない。提供されて初めて巨大な需要が形成されたのである。