産業社会における選択の基本は、認知を基礎とするものであった。だから、メーカーは、自分の商品の認知率を高めることに巨大な投資を行ってきた。二つの理由で、この基礎型が崩れてきている。一つは、顧客が与えられる認知情報を、他人の経験によって修正するようになったこと。もう一つは、認知の対象であったモノ・単品ではなく、それがもたらしてくれるソリューションそのものを求めるようになったこと。早い話、酒を買うのではなくて、楽しい居酒屋を探すようになったこと。結局、現在、選択は図に示した通り。(1)「認知モデル」、(2)「参加・修正モデル」、(3)「サーチ・エコノミー」の三つの形で行われるようになっている。この三つ、選択の対象、つまり、モノ、単品かソリューションか、選択の主役、つまり、シニアかヤングかによって特徴づけられる。年を追って、(2)と(3)の比重が増大することになる。