同質競争は、結局、血みどろの価格競争に陥り、存続と繁栄を台無しにしてしまう。これがレッド・オーシャン。企業はその種の競争を無意味にする異質の市場空間を開発しなければならない。それが、ブルー・オーシャン戦略。チャン・キムは『ブルー・オーシャン戦略』(ランダムハウス講談社、2005年)で、それを豊富な事例で説明している。彼は、「市場の境界を引き直す」ための六つの方法を提示している。(1)「代替産業に学ぶ」、(2)「買い手グループに目を向ける」、(3)「補完財や補完サービスを見渡す」などが、その中心。彼はまた、ブルー・オーシャン戦略の展開を可能にする組織運営上の要点も説明している。2年で、ニューヨークを安全な都市に変えた市警本部長ビル・ブラットンのやり方も紹介されている。この戦略論は、アジアから世界へ急成長を続ける、韓国サムスンのテキストになったことでも有名である。