企業がマーケティングを実施する上で出発点となる基本的な枠組みのことであり、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)という3つの単語の頭文字に由来する。マーケティングを展開する場合、ある市場の全体を狙うことはまれで、むしろ特定市場に絞り込んでそこを狙うことの方が多い。具体的には、市場を何らかの切り口で細分化し、幾つかのセグメント(区分)に分け、有利な競争を展開できそうなセグメントをターゲットとして規定する。セグメンテーションの切り口は業界や企業によって異なるが、消費財企業の場合には性別や年齢の他に、所得やライフサイクルなどが取り上げられやすい。そしてターゲットが定まったならば、顧客のマインド内に自社の提供内容をどのように位置づけるべきか、つまりポジショニングすべきかが検討される。STPがしっかりと規定されていないと、マーケティング戦略は有効に機能しにくい。一般には、価格や流通チャネルなど個々のマーケティング変数を検討する前に、企業はSTPを規定すべきである。