企業が提供する製品やサービスに対して、その購入者がどれだけ満足しているのかという水準。一般に、購入前の期待値と購入後に知覚するパフォーマンスとの関係によって規定される。購入前の期待値に対してパフォーマンスが低ければ購入者は満足ではなく、不満を感じてしまう。購入前の期待値に対してパフォーマンスが見合うものであれば満足を感じる。購入前の期待値に対してパフォーマンスが大きく上回れば、満足を超えた喜びや驚きといった強い感情状態になる。多くの企業は、この顧客満足をマーケティング上の重要な指標の一つに位置づけており、単に提供製品に対する満足度だけではなく、顧客とのさまざまなコンタクト・ポイント(顧客接点)における満足度を測定しようとしている。ただし、今日の顧客は日々の消費行動で不満を感じることはあまりない。満足を得られないような製品を提供していれば、購入者は離反し、長期にわたりビジネスを存続させることは難しいからだ。したがって今日では、不満状態を満足状態へ改善するのではなく、低い満足状態からより高い満足状態へ引き上げることに主眼が置かれている。