人々にモノを所有させるのではなく、他者と共有(シェア)させることによって生まれる新しいビジネスモデル。カーシェアリングで考えてみよう。私たちはこれまで、自動車を所有することに喜びや満足を覚えていた。ところが一部の人を除くと、自分の自動車を実際に利用している時間は決して長くはない。一週間の大半の時間、自動車は車庫に眠っている。そこで、「必要な時だけ利用できたら」という発想が生まれる。レンタカーとカーシェアリングの違いは、前者が不特定多数の人々を対象としているのに対して、後者はあらかじめ登録した会員を対象としている。カーシェアリング用の自動車は住宅街や店舗の駐車場などにとめられていて、予約をしておけば必要な時間、自分の自動車として利用できる。利用頻度の少ないドライバーにとっては、駐車場料金や車検代などの固定費を個人で支払う必要がないため、所有する場合と比較して大幅なコスト削減に結びつく。シェアビジネスの枠組みは、自転車や家など様々な製品で取り入れることができる。